2016年7月14日木曜日

カエルの剣道

子供には、理解できる範囲、頑張れる範囲というものがあって、それは大人のそれとは全く異質ですよね。 

でも、それを超えて、あえて擦りこんで行かなくてはならない習慣や技術というものがあったとすると、教えるほうの立場としては相当な覚悟や、子供に対する共感が必要だと思います。

無理強いもできない、しかし伝えるべきは伝えたい、という気持ち・・・
そんな気持ちを受け止めてもらえるように、大らかに、楽しげに、接していきたいと思います。

...
私が幼いころ、祖母は「お遊び」として稽古をつけてくれました。
虚弱で、気も弱く、根気も続かなかった私に、なんとか武道を、それも結構独自のものを印象付けるために、腐心したのだと思います。

青年期になり、バリバリ空手~中国武術をやっていた頃、祖母は時に竹刀をとり、また長刀を取って、やはり「遊び」の延長で伝授してくれました。


愚かな私は、祖母の技量が高いということなど、まったくわからないまま、むしろ逆に「相手をしてあげている」ような気持ちで祖母に向き合っていました。(このあたりの恥ずかしい話はたくさんあります(;´Д`))


この動画は、本当に幼いころに、短い期間行った「カエルの剣道」(蛙打ち)。何というものでもないのに、何故かとても印象に残っている素振りの一種です。

今、股が割れて太刀の身が立ち上がってみれば、やはりこれも歴とした轉坐・抜跳の前段階の鍛錬法でした。


私の代では、ほんのわずかに残った断片を、こういった鮮やかな印象を伴う要訣を手掛かりとしながら、志す人が、確実に出来るようになってゆく階梯というものを再創造して行かなくてはならない、と思っています。


雑草だらけの踏み跡みたいになってしまったこの道を、整備して、いつかは皆さんとハイキングに行きたいなあと思っているところなのです。